
3Dプリンター出力では、造形物を支えるサポート材が必要不可欠です。造形後には、手や工具で取り外す方法と、アルカリ性水溶液などの薬液で溶かす方法があります。一方で、インクジェット方式の3Dプリンターでは、薬剤ではなく普通の水で溶けるサポート材が使用できます。
本記事では、水溶性サポート材である、WSS™150をご紹介します。
WSS™150は、ストラタシス社のインクジェット方式3DプリンターであるStratasys J55™150PrimeとStratasys J35™150Pro専用の可溶性サポート材です。一般的な溶かすタイプのサポート材は、アルカリ性水溶液に浸して除去をしますが、WSS™150は水で除去ができるという特徴があります。
これまで、代表的な水溶性のサポート材は、キーエンス社のインクジェット方式3DプリンターAGILISTA用のものでしたが、WSS™150の登場により、より安全にサポート材を取り除くことができるようになりました。薬液による除去は、中和不足や人体への影響などの危険性があります。水溶性のサポート材であれば、安全に処理ができ、中和する時間も短縮できます。
3Dプリンター出力で使用するサポート材の除去は、手や工具によるブレイクアウェイ方式と薬液で溶かすソリュブル方式があります。ブレイクアウェイ方式では、複雑な形状や手が届かない箇所は、サポート材が取り除けない場合があります。一方で、ソリュブル方式には、さまざまなメリットがあります。
造形物をアルカリ性水溶液などの薬液に浸して除去するため、人のいない夜間などでも除去が進みます。
手や工具で物理的にサポート材を除去すると、造形物が破損してしまう危険があります。可溶性サポート材であれば、浸すだけのため破損の心配がありません。
薬液に浸すため、手や工具が届かない箇所のサポート材も隅々まで除去できます。そのため、サポート材の取り忘れを防ぎ、可動構造も実現できます。
可溶性サポート材は、基本的にアルカリ性水溶液を使用して除去するため、中和時間や取り扱い方法に注意が必要です。
可溶性サポート材の除去には、アルカリ性水溶液に浸す時間がかかります。形状にもよりますが、1日以上かかる場合もあります。
サポート材が溶け切ったあとは、造形物の表面や内部にアルカリ性水溶液が浸透しています。そのため、浸していた時間と同程度の間、酸性の溶液や水に浸して中和する時間が必要になります。また、中和後も水分を含んだ状態のため、乾燥の時間もかかります。
アルカリ性水溶液は、人体に影響があるため、取り扱いに注意が必要です。使用の際には、ゴーグルや手袋を装着して作業をします。また、使用後も産業廃棄物として安全に処理することが大切です。
3Dプリンター出力に必須のサポート材は、水や薬液で溶かすことができるものを使用することで、効率的な製作につながります。複雑な形状でも、隅々まで除去ができます。一方で、薬液で除去するサポート材は、取り扱いや処理に注意が必要です。造形物の形状や用途に合わせて、サポート材の種類や除去方法の選択も重要です。
DDD FACTORYでは、サポート材の溶剤による除去ができるため、3Dプリンター出力ならではの複雑な形状の造形が可能です。
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