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3Dプリンターにおけるサポート材の役割|除去方法や課題とは

3Dプリンター出力の説明の中で、よく出てくる用語として「サポート材」があります。
このサポート材は、3Dプリンターならではの複雑な形状を造形するために、必要不可欠な存在です。
本記事では、3Dプリンターでの造形を文字通り支えてくれる「サポート材」の役割や
必要な形状・造形後の除去方法について、詳しく解説します。

サポート材とは

サポート材とは、3Dプリンターでの造形時に、造形物を支えるための土台(サポート)を作る材質のことです。
この土台は、反りの発生を防いだり、複雑な形状の造形をするときに支えたりと、
とても重要な役割を担っています。
ただし、サポート材分のコストや造形と処理の時間が増えるという点に注意が必要です。

サポート材が必要な形状

サポート材は、3Dプリンターの最大の特徴である複雑形状の造形に欠かせません
特に、一部が空中に浮いた構造や複数の部品が入り組んだ構造を、正確に造形するためにはサポート材が必要です。
ここからは、サポート材が必要になる代表的な形状をご紹介します。

オーバーハング形状

オーバーハング形状とは、T字やY字のように空中に突き出した状態のことを指します。
このような構造は、支えがないと造形中に重力で垂れてしまうため、サポート材が必要です。
基本的に、45°の角度からサポート材が必要になります。
オーバーハング形状

ブリッジ形状

ブリッジ形状とは、H型の橋のような形状のことです。
オーバーハング形状と同様に、橋の部分に支えがなければ造形中に落下することがあるため、
サポート材が出力されます。
ブリッジ形状

貫通穴や中空構造

貫通穴などの造形や内部が空洞になっている中空構造も、サポート材が必要になることがあります。
ただし、機械の性能や積層ピッチによりますが、小さな穴はサポート材なしで造形できる場合もあります。
貫通穴

一体造形(可動構造)

3Dプリンターは、複数の部品を一体で造形し、完成後に可動する構造を作ることができます。
このような構造では、部品同士の隙間に、溶かして除去できるサポート材を使うことで、可動部の接着を防ぎます。
可動構造
サポート材のおかげで、赤丸の箇所を動かすことができる。

サポート材を除去する方法

3Dプリンターの造形物は、サポート材を取り除くことで完成します。
サポート材の除去方法は、大きく分けて2つあります。注意点と合わせて、詳しく解説していきます。

ブレイクアウェイ方式

サポート材を手や工具などで、物理的に取り除く方法です。
光造形方式やFDM方式で、本体とサポート材が同じ材質の場合によく行われます。

注意点
サポート材と本体が繋がっているため、除去した箇所にバリが残ることがあります。
サポート材痕
光造形方式の造形物。サポート材の除去痕が残っている。

ソリュブル方式

高温のアルカリ水溶液に造形物を浸し、超音波を当ててサポート材を溶かす方法です。
ノズルが2つあるFDM方式で、本体と異なる材質のサポート材を出力した場合によく使われます。

注意点
サポート材を完全に溶かす除去方法のため、仕上がりはきれいになります。
ただし、形状によっては1日近く水溶液に浸し、同じ時間をかけて洗浄する必要があるため、
サポート材の除去に時間がかかる場合があります。
サポート材洗浄
アルカリ水溶液で溶かした後は、浸していた時間分、水に浸して洗浄する。

サポート材に伴う問題と解決策

サポート材は、造形物を支えるために必須ですが、使用することで造形時間などに影響が生じます。
ここでは、サポート材が原因で起こる問題について、解決策と合わせて紹介します。

完成までに時間がかかる

サポート材の量が多くなるほど、本体の造形時間とは別に、サポート材出力分の時間もかかります。
また、造形後にサポート材を取り除く後処理の時間も必要になるため、完成までの時間が長くなります。

サポート材の材料費がかかる

サポート材が必要になると、その分の材料費もかかります。
造形物の形状によっては、サポート材のほうが使用量が多くなり、本体よりも材料費がかかる場合もあります。

サポート材を削減するには⋯

造形時間の長さや材料費の増加を解決するには、サポート材の使用量を削減する必要があります。
ここでは、2つの方法をご紹介します。

サポート材の密度を下げる

造形前に3Dプリンターのスライサーソフトで、サポート材の調整ができます。
そこで、密度を下げた設定にすることにより、材料の削減と造形時間の短縮が可能です。

造形方向を変更する

不安定な状態で造形をすると、その分サポート材の量が多く必要になります。
そこで、造形方向を変更することで造形物が安定し、必要最低限のサポート材で造形できます。
サポート材多め
黄色い部分がサポート材。この状態だとオーバーハング形状でサポート材が必須となる。
サポート材多め予想時間
造形時間の見積もりは約1時間。

サポート材少なめ
造形方向を変更し、オーバーハング形状の状態をなくすことでサポート材の量を削減。
サポート材少なめ予想時間
造形時間も42分に短縮される。

まとめ|サポート材は複雑形状の「支え」

3Dプリンター出力の最大の特徴である「複雑な構造の造形」は、サポート材があるからこそ可能になります。
一方でコストの増加や、サポート材の除去による仕上がりへの影響・造形時間や
材料費の増加といった点に注意する必要があります。
造形時間や材料費は、サポート材の調整や造形方向を変更することで削減が可能です。
このようにサポート材を使いこなすことで、より効率的な3Dプリンター出力ができます。

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DDD FACTORYでは、サポート材の溶剤による除去ができるため、
3Dプリンターならではの複雑な形状の造形が可能です。
切削加工では難しい形状も対応できるため、目的に合わせた製作方法をご提案しております。

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