
3Dプリンター出力は、切削加工と比べると、短時間で製作できるのが特徴です。
しかし、内部構造や機械の設定などを工夫することで、さらに造形時間を短縮できます。
本記事では、3Dプリンターの造形時間を短縮し、より効率的な製作をするためのポイントを解説します。
3Dプリンターは、もともと短時間での造形が可能な機械です。
しかし、急ぎの試作品などの場合、より造形時間を短くできればと思う場面があるかもしれません。
そのような場合、造形時間を短縮するための工夫は、どんなものがあるのでしょうか。
ここでは、5つの方法を紹介します。
①内部の充填率を下げる
②造形方向を変える
③積層ピッチを調整する
④ノズル径を大きくする
⑤ノズルスピードを速くする
充填率とは、造形物の内部の密度のことです。
充填率を下げることで使用する材質の量が減るため、造形時間を短縮できます。
通常、内部構造は蛇腹状で充填率100%、いわゆる「ソリッド構造」になっています。
この内部構造を、格子状にして隙間を作る「スパース構造」に変更することで、充填率を下げます。
注意点:充填率を下げすぎると、強度が低くなる場合があるため、注意が必要。
その場合は、内部を六角形の格子状(ハニカム構造)にするなどで強度を補う。
3Dプリンターでの造形は、高さがあるほど層の数も増えます。
そのため、形状によっては、立たせて造形するよりも、横にした状態で層の数を少なくすると、
造形が速くなる場合があります。
ただし、形状によっては、立たせたほうが適切な場合もあります。
注意点:積層の方向やサポート材のつき方に影響が出るため、造形前の確認が重要。
立たせた状態の出力だと、試し打ちもその分高くなり、時間がかかる。
プログラム作成の段階では、層の厚みである積層ピッチの調整もできます。
そこで、積層ピッチを大きくし、層自体の数を少なくすることで、造形時間を短縮するという方法です。
注意点:積層痕がより大きく残るため、外観の精度は低くなる。
積層ピッチの調整が縦方向のアプローチだとすると、ノズル径を大きくすることにより
横方向からのアプローチでも、造形時間を短縮できます。
注意点:こちらも外観の精度は低くなるという点と、ノズルの交換ができる場合のみ可能な方法。
3Dプリンターは、スライサーソフトでのプログラム作成の段階で、ノズルのスピードを調整することができます。
その移動スピードを速く設定することで、造形時間の短縮ができます。
注意点:材料の定着が悪くなり、反りや強度の低下が発生することがある。
これまで紹介してきた「充填率の調整」や「造形方向の変更」などによって、造形を効率化することを、
DfAM(Design for Addictive Manufacturing)といいます。
当社では、このDfAMに沿った設計や構造のご提案も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
3Dプリンターは短時間での造形が特徴ですが、その方法を工夫することでさらに時間の短縮が可能です。
ただし、時間を短縮するための工夫は、見た目や強度などに影響が出る場合があるため、注意が必要です。
造形物の用途や目的に合わせた工夫をすることで、3Dプリンターをより効率的に活用できます。
DDD FACTORYでは、本記事でご紹介した造形を効率化するDfAMに沿った設計や構造のご案内も可能です。
ご希望納期に合わせた3Dプリンター出力サービスをご提案いしております。
最短30分でお見積り、当日出荷も可能(※状況によります)
3Dデータからの出力に対応
樹脂・金属など幅広い材質での出力
製品開発の試作や、部品の製作はぜひ当社にお任せください。
「どこに依頼しようか迷っている…」という方も、材質選定のご相談から承りますので、
まずはお気軽にお問い合わせください。
楽しく作る。未来を創る。
Hedonistic SustainabilityなMonozukuriを。
楽しく、優しく、かっこよく。
湯本電機のシン・製造スタイル