
光造形方式の3Dプリンターの材料は、光硬化性樹脂を使用します。この材料は、液体状で、紫外線を当てることで硬化し、立体物ができます。造形物は熱や光に弱く、長時間太陽光などに当たると劣化・変色が起こります。本記事では、光造形方式の造形物が、太陽光で劣化する理由を詳しく解説します。
光硬化性樹脂は、長時間光に当たると自動酸化が起こり、変色・劣化します。
自動酸化とは、有機化合物や無機化合物が空気中の酸素と反応して起こる酸化のことです。身近な例として、食用油の酸化があります。油を使用したあと、そのまま放置していると匂いの発生や色が濃くなることがありますが、これは自動酸化が原因です。
光硬化性樹脂の材料であるポリマー(高分子)は、複数の原子が結合して構成されています。樹脂に紫外線が当たると、ポリマー中の炭素・水素結合がそのエネルギーを吸収し、結合が切れて不安定な物質であるラジカルが生成されます。
RH → R・
このラジカルに空気中の酸素が結合すると、ペルオキシドラジカルという別のラジカルが生成されます。
R・+ O2 → RO2・
ペルオキシドラジカルが、まだ結合が切れていないポリマーの炭素・水素結合から水素を引き抜き、また新しいラジカルが生成されます。
RO2・ + RH → ROOH + R・
この不安定なラジカル同士が結合し、最終的に安定した不活性物質になることで自動酸化の反応が収束します。
2RO2・ → 不活性物質
このような一連の化学反応によって、光硬化性樹脂は劣化していきます。
光硬化性樹脂が変色する原因は、劣化の過程で「発色団(カルボニル基など)」や「助色団(ヒドロキシル基・アミノ基など)」を有する物質が生成されることで変色します。
光硬化性樹脂の劣化を防ぐには、以下のような対策があります。
・塗装を施す
・フィルムなどで表面を覆う
・屋内での使用や保管を心がける
劣化や変色を予防するには、なるべく紫外線や酸素との接触を避ける必要があります。
光造形方式の3Dプリンターで使用される光硬化性樹脂は、紫外線が当たることで自動酸化という化学反応が起こり、劣化や変色します。そのため、造形後は屋外などの直射日光の環境を避ける対策が必要です。適切に使用することで、造形物を長く保つことができます。
DDD FACTORYでは、光造形だけでなくFDM方式などさまざまな造形方式の3Dプリントをご提案いたします。
【短納期】1週間以内の納期に対応。当日出荷も可能です(※条件によります)。
【多品種小ロット】1個からご注文を承ります。
【高機能材質で造形】PEKKなどの高機能樹脂や金属による製作。
複雑な部品の製作は、ぜひ当社の3Dプリンター出力サービスにてお任せください。
2時間以内に見積もり回答いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
楽しく作る。未来を創る。
Hedonistic SustainabilityなMonozukuriを。
楽しく、優しく、かっこよく。
湯本電機のシン・製造スタイル