
3Dプリンターは、材料を積み重ねて立体物を造形する精密機械です。さまざまな部品で成り立っているため、こまめなメンテナンスが必要になります。特に機械の設定や調整であるキャリブレーションは、精度の高さが求められる部品製作において重要な作業です。本記事では、キャリブレーションをはじめとした3Dプリンターのメンテナンス方法を詳しくご紹介します。
3Dプリンターは、材料を排出するノズルをはじめとした部品は、使用するにつれて摩耗します。そのため定期的な交換などのメンテナンスをする必要があり、怠ると造形不良や機械の故障を引き起こす可能性があります。また、3Dプリンターのメンテナンスには、造形テーブルや水平の距離などの設定であるキャリブレーションも含まれます。造形方式や機種によって必要な作業は異なりますが、適切なメンテナンスが精度の高い3Dプリンター造形につながります。
3Dプリンターにおけるキャリブレーションとは、正確な造形を行うために必要な調整作業のことです。ノズルが正確に動いているかを確認し、必要であれば位置の調整を行います。また、ノズルの高さやテーブルの水平調整などもキャリブレーションに含まれます。キャリブレーションが適切に行われていないと、層ズレや造形物の歪みが起こる場合があります。キャリブレーションは、基本的に使用期間が空いた際やノズル・テーブルの交換時などに行います。
3Dプリンターに必要なメンテナンスは、同じ造形方式でも機械によって異なります。ここでは、熱溶解積層方式(FDM方式)の3DプリンターであるF370を例に、キャリブレーションで行う作業をご紹介します。
キャリブレーションでは、造形テーブルに対するノズルの高さを調整します。F370では、主にノズル交換時や層ズレが起きた際に行います。
ノズルが造形テーブルに対して高すぎると、材料と造形テーブルの接地面が少なくなり剥がれやすくなります。
ノズルの動きが座標軸に沿って動作しているかを、一度造形を行うことで確認します。F370では、この造形テストで層の厚さ確認も行います。
内側にある白い線を目視して、座標に対して斜めに造形されている部分がないかを確認します。座標通りに造形できていない箇所がある場合は、手動にて調整を行います。
F370では、キャリブレーション以外にも必要なメンテナンスがあります。ここでは、ノズルとテーブルの交換について詳しくご紹介します。
F370の場合は、前回の交換から1500時間ごとに機械から警告が来ます。このタイミングで、材料・サポート材ともにノズルを交換します。また、ノズルの詰まりを防ぐため、造形前に温度を高めて前回使用した材料を排出します。
交換を行うノズル部分。
F370の造形物は、造形テーブルに強く付着しています。また、造形後には強く反らして造形物を取り外します。この影響により、造形テーブルは摩耗や反りの発生などの劣化が起こり、造形物が剥がれやすくなるなど、不安定な造形につながります。F370では、造形テーブルが劣化した際は、交換を行います。交換時には、水平調整といったキャリブレーションを合わせて行います。
左が造形を繰り返したテーブル。造形の痕が残り、摩耗しているため造形物が剥がれやすくなる。
3Dプリンターでは、安定した造形を行うために適切なメンテナンスが重要です。ノズルや造形テーブルは、造形を繰り返すことで摩耗するため交換作業をします。また、正確な造形をするためには、機械の高さ調整やノズルの設定などのキャリブレーションを行います。特に、精度の高さが求められる部品製作では、日々のメンテナンスが非常に大事な工程です。
DDD FACTORYでは、日々適切な方法でのメンテナンスを行っていますので、正確な3Dプリントをしております。
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